再生医療現場レポート
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治療後に自宅に戻ってから気をつけることはありますか?
治療後に数日間痛みを伴う方がいますが、それは関節から出る炎症性のたんぱく質とAPSで投じた抗炎症性のたんぱく質の反応があるほど、痛みが出ると言われています。
治療後に激しく動き回ると炎症性サイトカインが増加するため、2週間程度はあまり無理をせず、日常生活レベルの活動にとどめるようにしてください。また治療後3カ月間は、スポーツなどの激しい運動はできるだけ控えた方がいいでしょう。
しかし体を動かさなければ、せっかく治療をした場所が固くなってしてしまうことがあるため、ある程度は体を動かすことも必要です。可動域訓練など適度な運動を行い、あまり痛みの出ない程度で関節に余分な負荷をかけない生活を心がけることが大切です。ひざ関節の可動域訓練
APS療法を受ける前に知っておいたほうが良いことはありますか?これまでAPS療法を行ってきた短い期間の結果では、多くの方に喜んでいただくことができました。しかし、日本国内で治療が始まってまだ日が浅く、十分なデータがなかったり、期待されていることや誤解されていることがあるかもしれません。APS療法は、若い頃の状態に戻れるような魔法のような治療ではなく、治療効果には個人差があります。また効果があった場合でも、その効果がいつまで続くのか、といったことはまだまだ調査を行っている段階です。手術を勧められている方には、手術を先延ばしにできる可能性はありますが、将来、手術の必要性が全くなくなるということはないかもしれません。費用面では、現在のところ保険が適用されない自由診療となっていますので、全額自己負担となるなど様々な課題もあります。
治療を検討している方は、医師と十分に話し合い、納得されてから治療を受けることをお勧めします。APS療法を検討している方へメッセージをお願いします。変形性関節症の痛みで悩んでいる方は非常に多く、特に国内では変形性膝関節症の患者数は約3,000万人おり、その内の約1,000万人に膝の痛みなどの自覚症状を抱えているといわれています。変形性関節症が進行していくと人工関節置換手術などの手術が適応になる方は多いですが、APS療法を受けることで日々の痛みを緩和され、手術を受ける期間を大幅に遅らせることが期待できます。たとえAPS療法の効果がなかったとしても、その方に適切な治療法があります。
関節痛の痛みに悩んでいたり、再生医療に興味があってもなかなか一歩を踏み出すことができない場合、一度整形外科の専門医にご相談することをお勧めします。
関節の痛みの治療には、再生医療だけでなく、その方に適したさまざまな治療法があります。まずは、ご自身の状態を正確に把握し、その上で納得のいく治療方法を選択して欲しいと思います。
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