再生医療現場レポート
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PRP療法、APS療法が受けられる施設、留意点
APS療法、PRP療法ともに再生医療等の安全性確保等に関する法律のもと、治療を行う施設は厚生労働省に届け出が受理された施設のみで実施できます。治療費は、現在のところ健康保険の適用外となるため、全額自己負担となります。
治療をうけるのに、年齢制限はありませんが、ガンを治療中の方や、リウマチなど炎症性の強い疾患をお持ちの方はAPS療法を受けることができないとされています。
APS療法、PRP療法は、治療効果が期待されている再生医療ですが、新たに筋肉や腱、軟骨が再生されたり、骨の変形を治す治療ではありません。APS療法は、関節内の炎症バランスを改善し痛みを緩和する効果が期待されていますが、その効果には個人差があり、治療を実施した中で3割程度の方には効果がみられなかったというデータもあります。
治療を検討されている方は、それらを踏まえ医師とよく相談したほうが良いでしょう。
どのような方がAPS療法の対象だと思いますか?APS療法を行っても関節軟骨が再生するわけではないので、まだ軟骨が残っているうちに治療を行ったほうが良いと思います。具体的には、変形性膝関節症の場合、関節の変形度合いはグレード0~4で分けられ、グレードが2~3のまだ軟骨が残っている状態で治療を受けたほうが効果を期待できると思います。また、痛みや腫れが繰り返し起きてしまう方、他の治療法を色々試してみたけど効果があまり得られないけど手術はまだ行いたくないといった方も治療を考えてみても良いのではないでしょうか。
変形性膝関節症5段階
具体的な治療の流れを教えてください治療の流れ
治療前は、特に食事や運動、薬の服用などに制限ありません。治療を行うまでに、血液検査を行いリウマチなどAPS療法が行えない疾患がないか確認し、膝関節内の炎症や変形の状態などを把握するためにレントゲンやMRI検査も行います。
治療当日は、ご自身の血液を55cc採血し遠心分離機にかけAPSを抽出し患部に注入します。入院の必要はなく、治療にかかる時間は、採血から注入まで約1~2時間で終了します。
注射に伴う感染の可能性がありますが、ヒアルロン酸注射など他の関節内注射と同程度のリスクでご自身の血液を使うので、治療後の拒絶反応も起こりにくい、安全性の高い治療だと思います。この記事が気に入ったら
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