再生医療現場レポート
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どのくらいから効果を実感できますか、また治療後にやるべきことは?
一般的には、治療後3ヶ月から半年くらいで効果を感じる方が多いと言われていますが、1週間後くらいから「なんとなく調子が良い」と感じられる方も多くおられます。また、変形性股関節症の方にAPS療法を行った中には、治療後2週間で節水腫の軽減(治療していない反対側と比べて水がかなり引いているケース)もありました。効果が続く期間も個人差があると思うので、痛みが軽減している期間を大切にしてください。痛みが軽減しても、すり減った軟骨や変形した骨はそのままなので、治ったわけではありません。何もせずじっとしているのではなく、痛みが落ち着いているからこそしっかり筋力や柔軟性をアップして、痛みが出にくい安定した身体を作るように努めましょう。
生活習慣の見直しも重要で、布団よりはベッド、ちゃぶ台よりはテーブル、座椅子よりは椅子、和式トイレよりは洋式トイレというように、可能な限り洋式に変更し身体への負担を減らすこともおすすめです。どのようなリハビリテーションを行っていけば良いでしょうか?膝関節であれば、大腿四頭筋という太もも前側の筋肉を鍛えることが有効です。
痛みがある場合は、膝関節を動かさずに筋肉に力を入れる特殊な運動が必要なため病院への相談をお願いします。また、膝が変形しているのに歩いたり走ったりすると膝関節に負担がかかるので、水中ウォーキングがお勧めです。水の中では体重が軽くなり早く動けないので関節への負担が少なく、水圧がかかることで足のむくみの改善が期待できますが、心臓疾患のある方は注意が必要です。水中ウォーキングは、前向きに歩くだけでなく、さまざまな方向に動くことで色々な筋肉を鍛えてほしいですね。痛みを和らげるためには、ストレッチも大切です。
注意してほしいのは息を止めてまで行う強めのストレッチは関節を傷めてしまう可能性があるため、無理のない効果的なストレッチを行っていただきたいと思います。PRP療法やAPS療法などの再生医療に興味のある方に向けて先生から一言お願いいたします。PRP療法やAPS療法は決して魔法の治療ではないので、全ての手術を回避できるものではありません。しかし、高齢の方やアスリートの方、手術に抵抗がある方など、さまざまな事情で手術を受けられない方や受けたくない方への新たな治療です。
痛みや生活環境は人によって違います。それに伴い治療法も個々によって異なります。過度な期待は禁物ですが、治療の選択肢は広がりました。ご自身がどう治し、どう向き合っていきたいのかを考え、身体に痛みや違和感があれば、我慢せず早めに専門医を受診していただき、今より痛みのない生活を目指してほしいと思います。
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