再生医療現場レポート
エリア
東京都
膝関節の変形性関節症に新たな治療選択肢
ご自身の血液を使ったAPS療法とは
東京医療センター
人工関節センター センター長
ドクタープロフィール
専門領域:股関節、人工関節手術、骨粗鬆症
専門医等:日本整形外科学会専門医
東京医療センター
人工関節センター 副センター長
ドクタープロフィール
専門領域:膝関節、人工関節手術
専門医等:日本整形外科学会専門医
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APS療法後に続けたほうが良いことはありますか?
藤田 基本的には膝関節に対する変形性関節症で行われることの多い治療になるので、筋力を鍛えることが必要になります。とくに大腿四頭筋を鍛える筋力トレーニングを継続的に行っていただきたいと思います。ご自宅でも簡単にできる運動としては、椅子に座った状態で膝を完全にまっすぐ伸ばすという運動を片足ずつ行います。大腿四頭筋をまっすぐに伸ばすことを意識しながら繰り返して行ってみてください。ほかにも、膝に負担がかからないよう体重コントロールも大切です。
運動不足により筋力低下が進むと、転倒による骨折のリスクが出てきます。また膝にかかる負担が増えることで変形性関節症が進行し、痛みが続くことで引きこもりといった活動性の低下が懸念されます。そうなることで将来的に寝たきりになってしまうケースは少なくありません。そのためにも筋力トレーニングを行うことで生活の質を維持し、健康寿命を延ばしていくことが大切です。金田 運動は気が向いたときや時間のある時に行うと、結局できなくなってしまうことがほとんどです。そのため、毎日必ず行うこととセットにして継続できるよう工夫してみましょう。例えば、朝食を食べる前や寝る前、テレビドラマを見ていて歌が流れている間だけなど、毎日行っている事と一緒にすることで忘れることがなくなります。また体重コントロールにおいては運動だけで痩せようと思わず、食生活を改善することが大切です。体重の増加は運動不足だけではないので、生活習慣全般を見直していただくと良いでしょう。
APS療法に興味ある方へ向けて、メッセージをお願いします藤田 APS療法は患者さん自身の血液を材料とした治療です。手術に抵抗のある方や従来の治療法で効果が見られない方は、APS療法という治療選択肢があることを知ってほしいです。
金田 従来の治療に新たな選択肢の一つとしてAPS療法が増えました。これまでの治療法で、「もう手術しかない」と諦めていた患者さんにとっては、保存療法と手術療法をつなぐ治療法になります。ご興味があれば、ご自身が受けられる治療になるのかどうか医師とともに検討してみるのが良いと思います。すぐに治療というのではなく、まずは気軽に専門医に相談してみてください。
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