再生医療現場レポート
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CHAPTER 01PRP(多血小板血漿)療法とAPS(自己タンパク質溶液)療法の違い
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CHAPTER 02痛みの原因をよく調べてから治療法の選択を
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CHAPTER 03APS療法と治療後の注意点
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治療の流れを教えてください
治療の流れ
APS療法は、患者さん自身の血液を採取、APSを作製、患部へ投与という流れで行います。施術は1回(1日)で完了します。治療後は、2週間後もしくは1ヶ月後の受診、その後は3ヶ月後もしくは6ヶ月後に診察を受けていただいています。
また、APS療法を受けても並行してリハビリを行うことが大切です。APS療法だけでなく、筋トレを中心とするリハビリも行った人のほうが治療成績は良好な印象があります。週1回や2週に1回という頻度でも、外来リハビリを実施している医療機関で専門家の指導を受けながら筋力トレーニングに積極的に取り組むことをお勧めします。APS療法を受けた後、生活上の注意点はありますか?APSでの治療後は、1週間程度は激しい運動や一日中歩き回るような負担のかかる活動は控えるようにしましょう。中には、APSの投与後、1~2日間くらい患部に熱を持ったり、じわっと痛みを感じたりする場合があります。これは体の中の炎症性タンパク質と、APS投与による抗炎症タンパク質との反応によるもので次第に落ち着いていきます。また、日常生活上の動作については特に制限はないものの、活動量は少し下げたほうが良いでしょう。
APS療法を受ける際、医療施設を選ぶコツを教えてくださいPRP療法・APS療法は、自由診療であるだけに、医療施設を選ぶ際に治療費で決めることもあると思いますが、そこだけに着目せず、慎重に選んでいただきたいと思います。
APS療法は、保存的治療を試してきて、それでも痛みが改善しない患者さんが、手術を決断する前の選択肢として考えることのできる治療です。ですが、有効性が人それぞれであることや自由診療であることなど、そのハードルは決して低いものではありません。そのため、患者さんの症状を把握した上で、あくまでも数ある治療の選択肢の一つとしてAPS療法を示してくれるような、信頼がおけると感じた医師と治療を進めることをお勧めします。そして、疑問に思うことは遠慮なく聞いて、要望もしっかり伝えてください。ご自身が納得して治療へ進むために、不安なことについては解消しておくことが非常に重要です。最後に、APS療法に興味を持っている方にメッセージをお願いいたします整形外科の治療というと手術をイメージする方も多いと思います。しかし、最近は、必ずしも患者さんの体に負担のかかるものだけが治療ではなくなってきています。例えば、鎮痛薬にしても様々な種類が増え、患者さんの状態に合わせて選べるようになりました。飲み薬や関節内注射で改善がみられない場合は、APS療法だけでなく脂肪幹細胞を使用した再生医療など、治療方法も幅広くあります。
そして治療を続けてきたけれどなかなか改善がみられない方は、ぜひ受診をして別の治療法がないか調べてみることをお勧めします。そしてご自身の状態をもう一度しっかり把握して、どのような治療法があるのか考えていきましょう。
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