再生医療現場レポート
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CHAPTER 01加齢とともに増える膝の痛み。原因と治療方法は?
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CHAPTER 02PRP療法とAPS療法の違いと安全性
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CHAPTER 03APS療法の後も、膝の健康を考えた生活を続けましょう
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APS療法を受ける前に、知っておいた方が良いことはありますか?
膝のアイシング
APS 療法を受けた約7割の方が治療効果を感じたという報告もありますが、効果を実感できなかった方もいます。効果を感じる方もいれば、そうでない方もいますので、医師に実際の事例や疑問点を遠慮なく質問して、納得した上で治療を選択するといいでしょう。
また、今のところ自由診療のため、金額は医療機関ごとに異なりますが治療費は全額自己負担となります。
当日の治療は、1~2時間ほどで終了し、入院の必要がなく治療後にすぐ帰宅できます。ただし注射した後の患部は、炎症が起きて腫れや熱感を伴うことがあります。数日で治まることが多いので、治療当日は入浴を避け、安静に過ごしてほしいと思います。また直後の炎症には一般的な鎮痛剤や湿布薬が使えないため、医療機関で処方された薬やアイシングを行って頂いたほうが良いでしょう。
APS療法を受ける年齢制限はなく、比較的多くの方が受けやすい治療と思いますが、ガンを治療中の方やリウマチなど全身性の炎症を起こしている方など治療が難しいケースもありますので、専門医によく相談してください。APS療法の効果はいつ頃から表れますか?体重
コントロール個人差があり、中には2週間目ぐらいから変化を感じるという方もいます。3週間目で「膝を伸ばして寝られるようになった」という方もいらっしゃいました。治療効果は文献によると2~3年持続するという報告がありますが、効果を実感した場合、必ずそうなるかは分かりません。
APS療法を受けたらそれで終わりというわけではありません。治療と同時に生活習慣の改善と運動療法を行っていく必要があります。症状に合わせて3週間目から軽いウォーキングを始め、6週間目ぐらいから太ももの筋肉トレーニングを行い、8週目からは自転車を漕ぐ運動と段階的にトレーニング負荷を高めていくとよいでしょう。加えて体重コントロールもとても重要です。変形性膝関節症の治療に、日米の学会ともに、「ダイエット」が高く推奨されています。膝の痛みで悩んでいる方にメッセージをお願いします。「病気や自分の痛みに対して、正しい知識を持ってほしい」ということです。「膝が痛い」となったら、自己判断で民間療法を試すこともあると思いますが、ぜひ早めに専門医に相談してほしいです。医療は科学であり、医師の行う治療はエビデンス(医学的根拠)があります。確かな根拠によって膝の痛みの原因を突き止めて、患者さんの症状に合った適切な治療を提案することができます。膝の痛みに関わらず、病気全般に対して正しい知識を持つと、自分の治療への選択肢を増やすことにつながります。インターネットが普及した情報社会で正しい治療法を選ぶことは難しいところですが、そんな時こそ専門医に頼ってほしいと思います。
例えば、変形性膝関節症であれば、レントゲンをもとに今の症状を把握できます。保存的な治療を進めてなかなか良くならない場合、外科手術がいいと思いますが、すべての患者さんがメスで問題を解決できるわけではないでしょう。手術を望まない場合、PRP療法やAPS療法といった方法が選択できるようになってきました。膝に痛みがあれば、信頼できる主治医を見つけて、自分に合った良い治療法を選び取っていきましょう。
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