再生医療現場レポート
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どのような方がAPS療法の対象と考えられるでしょうか?
変形性膝関節症や変形性股関節症の方で、膝の水がなかなかひかない、ヒアルロン酸の関節内注射などの治療を続けても効果を実感しにくい、歩行や階段の昇り降りに支障を感じるようであれば治療を検討しても良いと思います。またご家族を介護しているために頻回に病院に通えない方や、手術を迷っている、手術を勧められているけれど、できるだけ手術を受けるまでの期間を延ばしたいという方も検討して良いのではないでしょうか。
APS療法後もリハビリは続けたほうが良いのでしょうか?APS療法はPRP療法よりも少し多く採血し、1回目の遠心分離でPRPを抽出し、そのPRPを再度遠心分離機にかけた後で脱水処理しAPSを取り出し患部に注射します。遠心分離を2回行うので、トータルの治療時間は1時間程度となりますが、PRP療法同様に入院などの必要はありません。APS療法後もこれまでと同様に筋力トレーニングを続けていくことが大切です。特にこれまで膝や股関節が痛くて筋力トレーニングができなかった方は、APS療法で痛みが軽減できれば、ぜひ筋力トレーニングを行ってください。ただし最初の2~3ケ月は無理をしない範囲で身体を動かしていきましょう。それ以降は、きついくらい太ももの筋肉である大腿四頭筋やハムストリングのストレッチや筋力強化、お尻の筋肉を鍛えていきましょう。筋肉が付いてくると膝や股関節が安定するといった好循環にもつながります。できれば筋力トレーニングは機械などを使用して行うのではなく、理学療法士など専門家から筋肉の強さや張りなどの状態を確認してもらいながら、正しい指導を受けリハビリするほうがより効果的です。
APS療法の流れ
APS療法の効果はいつ頃から表れるのでしょうか?個人差はありますが、膝の変形が激しかった方が翌日にはジャンプできるようになったり、1週間後に効果を感じたり、半年くらいたってからと効果の表れ方は人それぞれです。効果の感じ方は、ジワジワ良くなるというよりは、一段階痛みが改善し一定期間たって更に一段階改善するという方が多いです。国内外で様々な報告がありますが、治療後2年間効果がある方もいますし、効果が切れてしまった場合には、もう一度治療を希望される方もいらっしゃいます。APS療法はどの方にも効果を期待できるものではありませんが、対象となる症状を医師によって確認し、治療後しっかりリハビリが行えれば、かなり高い確率で効果を実感できる方が増えるのではないかと期待しています。
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