変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)は、時間をかけて進行し、次第に症状が重くなります。一度傷ついた軟骨が回復することは難しいですが、早い段階から適切な処置を行うことで、進行を遅らせることができます。
このページでは、各段階での主な症例を紹介します。あなたの痛みはどの段階でしょうか?
関節の軟骨が傷つき、関節のすき間がわずかに狭くなります。股関節以外に、おしり、太もも、ひざが痛む場合もあり、
変形性股関節症だと気づかないこともあります。この時期の治療としては、主に、減量や痛み止めの内服などの保存療法が行われます。
- ・長時間の歩行や運動後などに痛みを感じる
- ・おしりや太もも、ひざにこわばりや痛みがある
進行期:慢性的な痛み「痛みが続く、関節が動きにくくなる」
関節の軟骨が広い範囲で変性・摩耗し、関節のすき間が明らかに狭くなります。レントゲンでは
骨嚢胞(こつのうほう)や
骨棘(こつきょく)が現れます。痛みが慢性化して、歩行にも支障をきたし始めます。この時期の治療としては、軽い筋力強化訓練、薬物療法(痛み止め)、温熱療法のほか、疼痛が強い場合は,人工股関節置換術も行われます。
- ・股関節が動く範囲が狭くなる
- ・脚の筋力が落ちてくる
- ・日常的に痛みがあり、歩行に障害が生じる
末期:極度の痛み「関節がかたくなる、歩きづらくなる」
関節の軟骨がほとんどなくなるため、関節のすき間がなくなります。レントゲンでは、股関節の著しい変形がみられます。筋力が落ち、おしりや太ももが細くなり、左右の脚の長さが違ってしまうこともあります。この時期の治療としては、人工股関節置換術が行われますが、痛みや歩行の大幅な改善が期待できます。
- ・動かさなくても痛い
- ・股関節の動きが悪くなる、かたくなる
- ・筋力が落ち、脚が細くなる
- ・左右の脚の長さが異なる