股関節の痛みの原因として、関節が
炎症(えんしょう)を起こしてしまう「関節炎」が挙げられます。なぜ、
炎症が起きてしまうのでしょう? どうして痛くなるのでしょう?
まずは股関節の仕組みや働きを知って、痛みの原因を理解しましょう。
股関節は、太ももの骨(
大腿骨=だいたいこつ)の上の端にある骨頭(こっとう)という丸い部分が、
寛骨臼(かんこつきゅう) という骨盤(こつばん)のくぼみに、はまり込むような形になっており、その構造上、脚をさまざまな方向に動かすことができます。
関節は、骨の表面がとても滑らかで弾力のある軟骨と呼ばれる組織でおおわれており、その軟骨が関節を動かしたり、体重がかかったときの衝撃をやわらげるクッションの役目をしています。
軟骨は耐久性があるものですが、年齢を重ねるにつれてすり減っていきます。関節を守っている軟骨がすり減ることにより、徐々に
変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)を発症します。そして股関節を動かしたり、体重がかかるたびに、すり減った軟骨の下の骨同士がこすれ合って痛むようになります。